外反母趾のしくみと治し方 |
カイロプラクティックをしている関係で、足の造りに関心がいく。 このサイトの目的は教育ではないけれど、医師であるゆえに知り得た情報提供の一環として、このことは書き留めて残しておきたいと思った。 外反母趾になる機序についての考察である。
数年前に講演をさせてもらった際に、資料をさまざま読んで考えた。
親指だけ、あるいは親指とその根元の骨(第1中足骨(ちゅうそくこつ))や隣指との位置関係だけを見ているのみでは、問題の本質は見えてこない。
外反母趾の美観より気にするべきは、それにより失われる足本来の機能である。
左図のように足裏の深部には、黄色で示した、母趾内転筋という筋肉がある。
横の筋が収縮すれば、親指が足の外側(小指方向)へ引っ張られ、
ちなみに、「あれ、『外』へ引っ張るのに、なんで『内』転筋?」
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さて、左図で足前方の横アーチが潰れると、縦に5本走っている足前方の骨、すなわち第1から第5の中足骨の配列が、ちょうど扇(おうぎ)を開くように広がり、その先端(足指が付く場所)が青矢印のように広くなる。 外反母趾の特徴の1つ、内側へ張り出した第1中足骨はこうして形成される。
この足指根元幅が広くなると当然のことながら、親指の根元も広がった先へと移動させられる。
ここで1つ、大事なことがある。
外反母趾をよく観察してみられると良い。
思い出してみてほしい、陸上でダッシュをするとき、スタート時に必ず、足の親指で地面を蹴って行くだろう。
だから逆に言えば、外反母趾の外向き角度がいかに大きかろうと、その親指でしっかり踏み込むことさえできているなら問題はない、と私は考えている。
親指と隣の指の間に挿入して指の間を広げ、親指の角度を戻そうとするグッズがある。
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、後脛骨筋、長腓骨筋(ちょうひこつきん)、短腓骨筋。 これら脚の筋肉を日々の生活の中で自然に使っていれば、筋肉は適切に発達して適度な収縮力を保ち、足の中程をバランスよく持ち上げてアーチを形作ってくれる。
筋肉の動きを妨げない靴を履く。
2018.10. |
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