強く生きる




子供の頃、野球選手の打率3割を褒めそやす報道を見て驚いたことがある。
3割で偉い?
10回中7回失敗しているのに?

私たちは皆、10割打者を目指す。
そして誰も、10割打者にはなれない。

人生に横たわる多くの障害。
それらを乗り越えるための艱難辛苦(かんなんしんく)。
それ故にこそ、ときに超えられた時の喜びはひとしおなのだと。

なかなか上手くいかなくても
停滞しているようでも
進んだと思ったら戻っても
虐(しいた)げられても
くじけても
ののしられても
否定されても
望み叶わなくても
意見が通らなくても
疲れきっても
絶望しても
私たちは進み続ける。

そしていつか一筋の光が差す。
登ってきた山の高さに、今更ながらに気付く。

人は生きる。
生きるとは、たぶんそういうこと。

2016.3  

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