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子宮頸がんワクチンについて、対象者に説明する新しい小冊子が公開された。 厚生労働省のホームページから閲覧できる。 今度は、期待される効果と接種後の副反応についても統計的な数字を含めて概説されている。よくまとまっており、とてもわかりやすい。 それによると、ワクチン接種により「10万人あたり209から144人が子宮けいがんによる死亡を回避でき」、一方の副反応については「医師または企業が重篤と判断した報告数は1784人(10 万人あたり 52.5 人)」だそうだ。
ワクチン接種が本当にウィルス感染を防ぐのか、それが子宮頸がんの予防につながるのか、という作用機序に対する疑問は脇に置き、純粋にこの冊子の記載に基づくならば、
それにしては差が少ない・・・そう私は思う。
私なら受けない。
加えてこのホームページと新規冊子にはもう1つ、気になる点がある。
ホームページのタイトルは「ヒトパピローマウィルス感染症(HPVワクチン)」。
確かにこれらワクチンの正式名は「組換え沈降2価/4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」だから、「HPVワクチン」という呼称はより正確にしたと言えるのかもしれない。
そもそもヒトパピローマウィルス(HPV)には多数の型があり、それにより引き起こされる病気も尋常性疣贅、ミルメシア疣贅、色素性疣贅、尖圭コンジローマ、ボーエン様丘疹症・・・と多種多様だ。 そのうち明らかに高リスクな2つもしくは4つの型しか含んでいない製剤に対して、全HPVの総称となりうる「ヒトパピローマウィルス感染症」を使うのは、不正確ではないのか。 また、恐いのは「ヒトパピローマウィルス感染症」ではなくそれに続きうる「子宮頸がん」である。それこそがワクチンを打つ目的なのだから、それを表題に書けないほど関連性の薄いものであるなら、それこそ打つ意味がわからなくなる。 「子宮頸がんワクチン」という名が封印されても、それが重症副反応で騒がれたワクチンだということを、誰1人知らない人はいないことに変わりはない。
何にせよ、公開されるのは良いことである。 2018.01.
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