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止めようも無く流れ続けていくのが時の所行と分かってはいても、 深い感慨を禁じ得ない。 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ インターネットの黎明(れいめい)期、まだホームページを作る人などまばらな時代にあって、彼のサイトは、燦然(さんぜん)とした輝きを放っていた。 この時期は、医師によるステロイド治療に、アトピー患者たちが疑問を抱き始めた時期と重なる。
医師として個人としての日常にかまけていた私は、ニュースステーションのステロイドバッシング報道も知らない、いわば平和な日々を送っていた。 患者の苦渋がいかに深いかを、医師が治療した患者を幸せにできていないことの重さを、私に教えてくれたのは、紛れもなく、彼のサイトだったのである。
抑え難くほとばしるその激しい表現形が、物議をかもしたりもしたようではあるが、その奥に窺(うかが)える彼のまなざしは、きっぱりと力強く純粋であった。
また彼は、深く鋭い洞察力を持っていた。
「日本では、みんな同じでなければという横並び意識が強いので、患者は、他の人に合わせるために、より多くの薬(ステロイド)を使って自分の症状を隠さざるを得なくなる。」
日本における患者たちも、お仕着せの医療に従属する旧来の姿勢では、上手くいかないことが起き始めていた頃。
開設当初、悪化の衝撃の興奮が冷めやらぬまま、患者としての怒りを強く吐き出していた彼。やがて時を経るに従い、やんちゃも沈静化し、成熟していく。
同時に、患者としての彼の症状も次第に落ち着きを見せ、アトピーとの関わりの必要性も減少していったのだろう。
これで大団円だとは、たぶん彼は思っていないだろう。 それでも、区切りの時である。
沢山の言葉と想いをありがとう。
2009.2.
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