トップページへ
参考図書へ


 アトピー性皮膚炎・アレルギー:患者及びその団体・マスコミ


そっと涙をぬぐってあげる★★★・・・強レベルのステロイド外用剤の長期処方によって顔面皮膚に著しい損害を被り訴訟を起こし和解をかち取った女性の、体験と、彼女のもとに寄せられたステロイド連用の害に苦しむ人たちからの声。

ステロイドいのちの電話★★★★・・・ステロイド外用禍訴訟とその後出版した著書によって、著者はステロイド連用の予期せぬ結果に苦しむ人たちからの沢山の電話を受けることになった。彼女が「廃人になる」と言うのも、言い過ぎではないと思われるようなそれらの患者さんたちの惨状に、医師はもっと目を向けるべきだろう。とにかく日本ではステロイドを安易にだらだらと処方し過ぎる。

隆一の壮絶アトピー日記★★★・・・女優松居一代さんが、息子のアトピーと向き合った体験記。中国の漢方医の治療で軽快。

わが子がアトピーになったとき★★★・・・・周囲からの情報と指示の圧力に耐えながら慢性病の泥沼でもがき続ける、アトピー患者と家族の当惑を、素直に書きつづった本。つらくてどうしていいかわからないような時読むと、共感し、楽になれるかもしれない。

ステロイドを使わないアトピー治療をめざして★★★★・・・アトピー・ステロイド情報センター(特定非営利活動法人・大阪)が、10年近い活動を通じて得たアトピー患者(主に成人)の現状と、アトピー性皮膚炎・その要因・治療・外用ステロイド剤に関する網羅的な情報。ステロイドに疑問を感じ始めた方に。

ステロイドを止めた理由★★★★・・・外用ステロイド治療から離脱したアトピー性皮膚炎患者35人の体験談。

アトピーに克つネットワーク★★・・・一人の主婦の自分と子供のアレルギー体験が、アトピー・アレルギーへの対応の改善を目指すNPOに発展した。食物・環境問題への消費者の立場としてのアプローチや、電話相談などの活動をしている。

アトピー治療最前線★★★・・・1996年に放送されたNHKスペシャル「アトピー性皮膚炎と闘う」の内容をまとめた本。海外の一流病院での様々な取り組みを取材。アトピー患者における痒みを感じるメカニズムの異常の研究、ドイツでの心理療法(痒みの原因を「痒みお化け」とするゲームを通じて子供の、悩み苦しみを受容するカウンセリングで母親の、それぞれの不安ストレスを軽減する)などは興味深かった。入浴後30g以上もの保湿剤を全身に塗った上に濡れた下着を着るというウエット・ラップ法には、「ここまでしなければならないものか」と、患者のひとりとして、人権の一端を奪われている思いがした。「どんな治療法もあり得る現状」と思うとともに、今山修平医師(国立病院九州医療センター皮膚科;当時九州大医学部皮膚科)以外取り上げられていない、日本の皮膚科医療のお寒さを思わずにはいられなかった。

アトピー・ステロイド地獄脱却物語★★★・・・内服ステロイドを投与されていた生活から、温泉療法をきっかけに離脱を図り、健康体を取り戻した患者の体験談。ステロイドを止めた後どんなことが起きるか、イメージが掴めない人に。
私が感心したのは、病状が良くなってきて仕事を再開した時に、早寝早起き(夜9時には床に着くという)と、家族と一緒のバランスの取れた夕食をとることを励行した、という所。こうしたしっかりした自律心が、この方の早い回復の鍵となったのだろうと思う。

新版・アトピー性皮膚炎を治す★★★・・・病院で行われている最新治療のガイドブック。偏らない見方で無駄なくわかりやすく情報を伝えていて、今、どんな治療法があるのかを知りたい方には良い本と思う。

アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言★★★★★・・・著者は脱ステロイドを経験した、私と同年代の生命科学研究者。脱ステロイド志向の患者を中心とした患者へのアンケート調査を行い、水面下に隠された苦悩する患者の実態を明らかにした。アトピーとステロイドの歴史、自身の病歴、自身が今考える対処法を併せて収録。このように論理的で、偏りがなく、分かり易いという三拍子揃った(いわゆる)アトピー本は、非常に珍しい。アトピー本を読んで真実を知りたいという人には、私は第1にこれをお勧めする。

ステロイドと「患者の知」★★★・・・自らアトピーで脱ステロイド後軽快している若い文化・医療人類学者の、博士論文をもとにした著作。社会の中でのアトピー標準治療、民間医療、脱ステロイド医、患者団体の位置や意義を考察している。日本とイギリスの患者への個別インタビューも交え、患者自身の気づきや主張が多くの医師が決めつけるような無知蒙昧の産物ではないと、理論を通じた証明を図る。