[試練の時]




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あまりの痒みの激しさに、それを含むあらゆる症状のつらさに、 来る日も来る日もそれが絶えることなく続く果てしない繰り返しに、

−何度も何度も、キレそうになる。−
しかし、キレてみたところで、何ら楽になる訳ではない。
治っていないという現実は、いささかも変わらない。

いっそ狂えたら楽だろうか、などと思ったりもした。
しかし人間はそう滅多なことで狂えるように出来てはいないようだ。
耐え難い極限と思っても、まだ自分は正気でいる。

そうしてひとしきり、さんざんじたばたした挙げ句に、またもとの、 耐え続ける日々の営みに戻るのだ。

−何度も何度も、その繰り返し。−


そう、何と言ったらいいだろう。

子供の頃は、人生は努力次第で幸せを掴み取れる、楽しいものだと 思っていた。しかしそれは誤った甘い認識だった。

−人生に苦しみはつきものなのだ。−

その重さを、今とても感じている。
何でこんな思いをしなければならないのか。つらい。たまらなく。

しかし、そんな日々でも生きていられることにまた驚き感嘆しても いるのだ。人とはかくも強いものか。

いつか私はこの日々を通り過ぎ、それは思い出となるだろう。
恐れることはない。私の直感はそれを知っている。耐え続けるのだ。



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